ブログ講師を初体験して感じた反省点と課題

去る1月26日。地元南アルプス市の金丸文化学園さんにて「教えてカワテさん ブログのあれこれ」と題してブログの書き方講座を開催させていただきました。

今回、初の講師を努めて感じた反省点と今後の課題についてまとめておきたいと思います。

金丸文化学園について

今回の開催場所となったのは山梨県南アルプス市にある金丸文化学園さん。元々は収穫された果物などを出荷するための作業場を改造し、地元のグループや個人が思い思いの企画を持ち込み勉強会やイベントを開催しているこの辺りにしては一風変わった性格の学び場だ。

金丸文化学園の運営者である金丸ご夫妻とは地元で開催されたイベントで知り合った。ステッカーを貼ったギークなMacを片手に現れたご主人・金丸直明さんを一目見た途端「これは何か通じるものがあるぞ」と非常に気になったことを覚えている。

イベントではお互いの共通点を見つけ合うというワークが用意されており、直明さんとたまたま同じグループに。そこでお互いの興味や関心を出し合うと思いがけず多くの共通点を持っていることがわかった。

Apple好でライフハックに関心があることから話が盛り上がると、お互い東京で開催されている立花岳志さんのセミナーに参加した経験があることがわかり大いに盛り上がった。山梨のこんな片田舎で思わず同じセミナー出席者に出会えたことに軽い興奮を覚えた。

今考えるとワークで同じグループにならなければ今回の講座もなかったはず。縁とは本当に面白いものだ。

自分がまさかブログを教えるとは

今回の講座は直明さんの奥様であるユキコさんとのお話がきっかけ。ユキコさんのブログ「週間ユキコさん」をWordPressへ移転する作業をお手伝いさせていただいた際「せっかくオリジナルドメインでブログをスタートするのだからもっと活用して情報発信したい」との希望で基本的にはユキコさんが聞きたいことを話そうという形でスタートしたもの。

だからターゲットはユキコさん。ユキコさんに何を話せば満足してもらえるだろうかを常に考えながら講座内容を作っていった。

今回の講座はブログ初心者、またはすでにブログを書いているけれどもっとブログを活用して自分の活動やビジネスをアピールしたい方を対象にブログの有効活用法について解説するといった内容。

私はベストセラー作家でもなければ、人に文章の書き方を教えるほどの技量も持ち合わせていないめ、内容としては「こうすればもっと多くの人に見てもらえますよ」といったテクニカルな話を中心に構成した。

講師をしてみてわかったこと

講師を初体験して感じた反省点と課題

実際にやってみる。
課題をあぶり出すのにこれほど効率的なやり方はない。

今回、実際に講師を体験してみてたくさんのことに気づかせていただいた。

声は大きく

私はもともと声が小さく人からよく「えっ?!」と聞き返される。
自分でははっきりしゃべっているつもりでも、聞く側にしてみれば「モゴモゴ」言って聞き取りずらい喋り方をするのだろう。それをわかっていたので今回は聞き取りやすいよう大きな声で喋ろうと努力するが、いかんせん普段小さな声で喋るので大きな声を出すと疲れる。地声で喋るのはキツイ、苦手。

昔、葬儀の司会を仕事でしてたことがあるのだけれど、マイクのある会場では絶好調で喋れるのだがマイクのない小さな会場では非常に疲れて思い通りに喋れなかったことを思い出した。あぁ、そうだった。昔からそうだった。

原因はおそらく発声方法だろう。
喉だけで声出そうとするから。お腹から声が出ていない。だから大きな声で喋るといつも声がガラガラになる。今回も講座が終わって家に帰ると「どうしたの? 声が別人なんだけど」と奥さんに言われた。

マイマイクを用意するか、腹式呼吸で発声法を練習するか。呼吸法を学ぶならヨガもいいかもしれない。この歳で発声方法について考えることになるとは夢にも思っていなかった。

専門用語 / いかににわかりやすく伝えるか

昔どこかのロックスターが雑誌のインタビューで答えていた。

「英国がロックに与えた影響で一番大きなものはなんでしょうか?」

「ロック=英語と言う認識を定着させたことさ!」

.comに始まりインターネットサービスのほとんどはアメリカ生まれである。よってインターネット業界に流通する多くの名詞は英語だ。したがって日本では横文字のカタカナ言葉が使われるようになった。覚えるのが面倒だが一度覚えてしまうとなかなか置換えの効かない言葉が多い。

コンバージョン・KPI・クエリ。WEB業界では当たり前に使っているこれからの言葉も一般的にはほとんど知られていない専門用語だ。

この業界はカタカナ言葉であふれている。普段使っている専門用語をつい講座の中でも使ってしまう。自分で気づくときもあれば、気づかずに使っていることも多かったに違いない。この専門用語が参加者を「ポカーン」とさせてしまう原因の一つになる。

戦時中は野球のアウトを「ダメー!!」と言い換えていたのは有名な話だが、同じ感覚でわかりやすい言葉に置き換えたほうがいい。気をつけなければいけないと反省。

ちなみに戦時中の野球ではファウルを「圏外」と呼び、バッテリーのことを「対打機関」と読んでいたらしい。戦争になったらインターネット業界のクリエイティブ加減は相当目減りするに違いない。

詰め込みすぎるな

あれもこれも詰め込み過ぎて予定時間をオーバーしてしまった。リハーサルでは時間は十分に余る予定だったにも関わらず。なるほど、リハーサルのようにはいかないものなのだな、と知る。

今回2時間という枠を頂いていた。当初「2時間も何を話そうか」とありったけのアイデアを出し、片っ端からタイトルをつけギュウギュウに詰めこんだ。時間が余っては困るという気持ちが強く、削ぎ落とし作業をしなかった点は大いに反省の余地がある。
また直明さんから「途中でワークを入れてはどうか」と提案をいただいた。なるほど。ワーク!ワークを入れるのを忘れていた。(ワークとは参加者同士で話し合ったり課題に取り組んでもらう時間)

最近のセミナーではどこへ行ってもワークの時間が用意されている。長時間の講座では、気分転換を兼ねて煮詰まった頭を一度冷やすことで後半の講座に再度集中してもらう効果がある。自分の講座でどんなワークが出来るのか考えてみる。

ジョークには鋼のハートが必要

参加者の皆さんはメモを取りながら真剣に話を聞いてくれた。しかし、話す側にとってはそれが辛い。これは前職で何度も経験したことだが、聞き手が真剣な顔をしてきちんと聞いてくれればくれるほど会場の空気はピンと張り詰めこちらはおちゃらけづらくなる。ピーンと張り詰めた空気の中で急に笑える話題を振ったとしてもその効果は普段の半分にも満たないはずだ。

講座では軽いジョークの一つも入れるべきだが、参加者の真剣な顔を見ると

「下手に笑いを取りに行って滑ったらどうする?」

と不安になり、用意した笑いのポイントを急遽削除するなどハートの弱さを露呈することとなる。

この辺りは慣れと検証済みの高度な鉄板ネタが必要だ。何度も検証を重ねる必要があるだろう。セミナーで笑いを取ることは非常に高度なテクニックと強いハートが要求されるのだと知る。

まとめ

講師を初体験して感じた反省点と課題

今回、多くの反省点もあったものの収穫もあった。

うすうす感じてはいたが人前で話すことが自分は嫌いではないらしい。それどころか自分の専門分野を皆に話せることに内心ワクワクしている自分がいた。

講座の開催が決まってから1ヶ月ほど時間があったが、プレゼン資料の作成に苦戦はしたものの全く緊張はせず、当日も多少焦りはしたが緊張して手が震えるなどの失態はせずに済んだ。

今回、講座内容はさておき、初の講師役ながら大きな失敗なく何とか滞りなく終えることができたのは、これまでの職歴を通じての経験が生きているように思う。葬儀での司会。サービス業での朝礼や研修会・ミーティングでのスピーチなど。経験はどこで生きてくるのかわからない。特に人前で話すという経験は後々必ず役に立つ。間違いない。若いうちの失敗は皆笑って許してくれる。人前で話す機会があったら積極的に引き受けることをオススメしたい。

今回は金丸さんご夫妻に頂いたご縁。
ご縁はお返しするものだと昔誰かに聞いたことがある。となると今度は私が返す番。どのような形でお返しできるのかは未知数だが、精一杯返す努力をしていきたい、と思う。